食器には正面があると言えば、お叱りを受けるこの頃になった。料理を撮影し始めたときは、器の正面が厳しく指示された。お茶の世界の器には必ず正面があると教えられた。
お盆、折敷
周辺に綴じ目がある場合 丸盆は綴じ目が前、角盆は向こう側(覚え方 まるまえ、かくむこう)
綴じ目のない場合 平たい板の木目が横になるようにする。木目の細かいほうが前、粗いほうが向こう側。
生地板
板目を横に、上と同じ。
三宝
元々は神仏のお供え用であるので、神仏の方が上座正面で、上の場合の反対になる。足の部分は人間が見て格好の良いように、横と人間側に飾り穴がある。これをお客さんに使う場合、足の穴が四方に空いている物を使うか、足を付け替えて使う。(三方向に穴があるので三方、穴だ宝珠形になっているので三宝と名があるようだ。)
椀
蒔絵などのある場合は、正面が分かりやすいですが、でない場合は、生地木目を見て横になるようにして使う。(合成樹脂で作っている場合は分からない。)
皿、鉢
絵のある場合 絵に従って正面が決まる。
絵の無い場合 何か変化のある方を正面にする。また、高台脇、中に落款があれば、文字下を正面にして器を横回転させた方向が正面とする場合と、器を前後に回転させて正面になる場合いがある。これは、作者によって異なる。
三本足の器
手前が二本で、向こう側が一本。
これは高楼の三本足から来ているのだが、これも上座(掛け軸)が二本で、人間が見るほう(下座)が一本である。
ところが、作者が反対に作っている場合がある。有名な作者のものであれば、間違いも正しくなる。
今の時代になって、こんなかたぐるしいことをと、思われるだろうが、お客さんに対する無言の礼儀だと思う。ただ、ご馳走になる方も分かっていないと恥を 2000年2月記
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