長年出版されなかった本

 京都市左京区花背と言っても、JR京都駅から車で1時間半かかる山の中に美山荘という料亭がある。
 私のお気に入りの場所である。と言うのは、このあたりには、カエデの種類が豊富なのである。特に美山荘のお庭にあるオオモミジは、葉形が綺麗で、秋の紅葉が一段と素晴らしいのである。枝をもらって接木をして、「美山」と名付けて大切に育てている。
 本を作るべしで1年半かかって撮影をしたが、事情があって出版されなかった。でも随分ご馳走になったし、色んな草木を頂いたのであきらめていた。
 ご主人の中東吉次さんが亡くなられ、8年目にして追悼出版された。写真を見ても懐かしい限りである。
 中東さんの話をされると、必ず涙ぐまれるのが、京都・南禅寺の瓢亭の高橋英一さんである。仲の良い友人を亡くされた悲しみはなかなか消えるものではない。
         
                              2000年3月記

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